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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百七十二夜 別れ道

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高校の頃、何年生だかは忘れたけれど、貴女が私の両肩に両手を乗せて何事か悲しんでいた時、私は貴女の美しい両手が服越しに私に触れていることに恍惚としていた。それ以上の接触は、結局なかった。けれど、私たちには確かに、友情があったと、信じるくらいは、いいだろう?

初めて会話した時に、貴女は男性恐怖症の為に私に酷く事務的な連絡を事務的に行って、するりと去って行った。それから幾つもの日常を過ごして、貴女が「K君は傍にいても平気」と言った時の私の歓喜は、驕りすら喚起した。そんな貴女とも、高校を出ると疎遠になってしまった。

故郷から遠く離れた大学の文芸部、確か三年の時のことであったように思う。私は貴女をモデルにした小説を書いた。思い出を並べたてるほど私の記憶力はよくはないから、多分に脚色を施して、書いた。もしも本当にそんなことがあったらいいな……という欲望は、隠し切れなかった。

貴女を忘れることが、私の時間の中に一度もなかったのと同じように、貴女も私を忘れることがなかったのじゃないか、と考えるのには根拠がある。或いはそれは慢心の類であるかも知れないけれど。貴女と数年間会わないでいたのに、ある日突然貴女はこの世を儚むという内容のメールを送って来た。

絶望が私の心を鬱蒼と覆った。貴女を傷付けていたことを、その時まで気づきもしなかった私の暗愚を呪った。泣きながら何度もメールして、電話して、けれども全然通じなくって、ようやく代わりに出てくれた、貴女のお母さんに窘められて、ようやく私は安心出来た。一生忘れない、一夜だった。

つい最近、私は貴女をモデルにした先に書いた小説を、再発表する機会を得た。解題で書いた当時のことなどを思い出しながら書いていた。私の侘しい人生に、最初に歓びを与えてくれた貴女はまだ生きている。だから安心して書けた。そうして、じっくり心を見れば、未だに私は貴女を恋うている。

叶わないと、知りながら。




 
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