FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←千夜風灯物語 第百七十夜 この世界は僕らを待っていた →千夜風灯物語 第百七十二夜 別れ道
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png サークル
総もくじ  3kaku_s_L.png 小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
[千夜風灯物語 第百七十夜 この世界は僕らを待っていた]へ [千夜風灯物語 第百七十二夜 別れ道]へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百七十一夜 サウダージ Dtourstyle

 ←千夜風灯物語 第百七十夜 この世界は僕らを待っていた →千夜風灯物語 第百七十二夜 別れ道




別れは何も特別なことじゃあないけれど、しかし、唐突な別れは心を酷く痛くする。彼が私の元から去って行った、それも何も言わずに去って行った、それは……一時の熱狂に一日を遊び、気がつけば黄昏の日が沈み切っていた、そんな感覚を以って顕れた。気づいた時には、彼はもう、いなかった。

連絡は総て無視された。彼には恋人がいる。独占欲と依存症の強い恋人が。彼は多分、私よりも恋人を優先したのだろう。彼の恋人は彼が友人を作ることすら許さない。直截に知っているわけじゃないけれど、彼との数年間の付き合いは常に彼の恋人が近くにあったから、それは解る。

友人と恋人のどちらを取るかを訊かれれば、多くの人は後者を取るだろうし、私だって恋人はいないけど、いたとしたなら恋人を取るだろう。けれど、彼の天秤の傾いた先は、あんまりにも寂しい充足の世界ではなかったか? 確かめる術など持っていないけれど、彼は望んでそうしたのは、理解出来る。

友人はなく、彼は家族さえも捨てたのだろう。昔、ふとした瞬間に聞いた。彼の両親は彼の恋人を悪い虫のように思っていて、和解することは出来そうにもない塩梅だった。私は、例えそれが「つもり」でも、彼の理解者であろうと努めていた。だから、彼が姿を消した時、追いかけることもしなかった。

一生涯、彼との友情は続くものだと青い私は信じていた。そして彼は友情がプツリと途絶えるものだと教えてくれた。私の悲しみは、孤独になり切れない心の絶叫で、けれどそろそろ、彼の思い出に区切りをつける、その時が来て、私は私の孤独な一生を歩いて行く時期が来たように思う。

あの日、美人な恋人の写真を見せてくれた彼はもういない。そのことは感傷を呼ぶけれど、私は私でいい加減に次の次元へ飛躍するべき準備が整った。だから、私は見えない彼に、死ぬるばかりの友情を籠めて、敬礼をして、言う。

『さらば』と。





次へ
前へ


 
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png サークル
総もくじ 3kaku_s_L.png 小説
総もくじ 3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png サークル
総もくじ  3kaku_s_L.png 小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
[千夜風灯物語 第百七十夜 この世界は僕らを待っていた]へ [千夜風灯物語 第百七十二夜 別れ道]へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • [千夜風灯物語 第百七十夜 この世界は僕らを待っていた]へ
  • [千夜風灯物語 第百七十二夜 別れ道]へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。