FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←千夜風灯物語 第百六十九夜 喰らいあう →千夜風灯物語 第百七十一夜 サウダージ Dtourstyle
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png サークル
総もくじ  3kaku_s_L.png 小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
[千夜風灯物語 第百六十九夜 喰らいあう]へ [千夜風灯物語 第百七十一夜 サウダージ Dtourstyle]へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百七十夜 この世界は僕らを待っていた

 ←千夜風灯物語 第百六十九夜 喰らいあう →千夜風灯物語 第百七十一夜 サウダージ Dtourstyle




冬眠する羆が羨ましくなるような冷える午後、ふと本から顔を上げてリジイアが言った。

「アユムさんは、どうして、この世に生まれて来たのか、考えたことって、あるですか?」

眼鏡をかけた彼女が読んでいるのは書庫にあった何かの哲学書で、博識な彼女はそこから興味を持ってそんな質問をしたのだろう。

「まあ、あるよ。他所の国の人がどうだかは知らないけど、日本人なら大半の人は考えたことあるんじゃないかな」

新聞から目を離しながら、僕は答える。余裕のある人は大抵考えたことのある疑問なんじゃないだろうかと思いつつ。

「じゃあ、答えは、見つかりましたか?」

若いリジイアは真剣に尋ねる。多分、そういう問題を真剣に考える年ごろなのだ。未知の世界に興味を示せるほどの青さが眩しい。

「まあ考えてもあんまりいい答えは出ない疑問ではあるけど」

と、卑怯な前置きをしながら僕は答える。

「運命論的な考え方だけどね、『この世界は僕らを待っていた』って考えるのが一番健康的で前向きだと思うね」

「世界が、アユムさんや、私を、ですか?」

「そう。世界には僕らが生きる為のものがあらかじめ用意されていて、その中には厭なものもあるけど、でも総てが必要なものだと思って生きて行く。そうすると、世界は僕らが生まれて来るのを待っていたんじゃないかってくらいに充実するんだ」

その答えに、リジイアは不安そうに問うて来た。

「その中に、私は、入ってますか……?」

「勿論」

不安を、即答で吹き飛ばしてあげる。

「それは……よかったです」

言って、リジイアは笑う。僕も笑う。二人、穏やかで暖かい午後の時間が流れて行く。




 
次へ
前へ


 
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png サークル
総もくじ 3kaku_s_L.png 小説
総もくじ 3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png サークル
総もくじ  3kaku_s_L.png 小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
[千夜風灯物語 第百六十九夜 喰らいあう]へ [千夜風灯物語 第百七十一夜 サウダージ Dtourstyle]へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • [千夜風灯物語 第百六十九夜 喰らいあう]へ
  • [千夜風灯物語 第百七十一夜 サウダージ Dtourstyle]へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。