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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百六十六夜 晒し首

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紫の死神に首を斬り落とされたその男は、生首だけで生きていた。

『ああ、どうして一思いに殺してくれなかったのか』

河原に晒されながら、生首は思惟する。新死の相で。

『厭だ、とても厭な心地がする』

死の臭いに、生首は嫌悪感を抱いたが、溶けて行く我が身を止められない。既に噉食相に至った。

『肉が、もうほとんど残っていない。こびりついているのは、泥なのか、肉なのか、それももう、解らない』

腐敗に至った彼の生首は虫の素になっている。

『酷い音色だ。蟋蟀め、俺の頭蓋、脳髄も蕩け落ちた穴で演奏会をしていやがる。蟷螂、何を待っている? 俺の頭骨を狩り場にするのはやめないか。蓑虫、お前は蟷螂に喰われることもなく垂れさがっているが、お前が鼻腔に垂れている所為で、俺の顔は随分滑稽になっているぞ。そのうち後頭部に住んでいる土蜘蛛がお前らを喰い尽すだろう』

思惟する脳髄は既になく、魂魄と化した思念は自分の頭蓋骨を空中から眺めていた。

ある雨の日、とうとう骸骨は崩れた。

『ああ、無くなった。俺が無くなった。そして、ああ、彼岸花が咲いている。そうか、ここが三途の川べりか。ああ、解る、今までにないくらい鮮明に解る。俺は、俺の存在は、遂に、忘れられた……』

月夜を待たず、彼は彼岸へと旅立った。




 
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