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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百五十九夜 Mother

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教室の隅に少女が座っている。廊下側の後ろ隅から、窓側の前隅に座っている少年を見ている。焦がれているのだ、少年に。彼女の愛情は、一切の表現を伴わなかった。酷く観念的で妄想的ですらある恋慕の情は、幾分人とは違う部分があった。

少女は少年の母親になりたかった。

例えば普通の十代の女子高生が考えるようなデートしたりセックスしたりという普通の恋愛などは眼中にもなかった。彼を生み、抱き、撫でてやりたい……そんな思いが胸中に渦巻いていた。

勿論それは現世で叶う筈のない行為だから、彼女は毎日祈ることしか出来なかった。祈ることは二つ。一つは生まれ変わって少年の母になること。もう一つは話をしたこともない彼が自分の傍にいてくれること。

彼女の弱さは、彼女が彼に声をかけたこともかけられたこともないのに傍にいたいと願う、その祈りに顕著であった。酷く儚く無力な少女は、力を欲していた。彼が、いつも無口な彼が、その無口の原因である汚い世界を見なくていいようにする、それは転生しなければ不可能だから、彼女はずっと願っている。

いつか彼と今生の別れをする時が来ることは、少女も知っている。その日が少しでも先でありますように、そして次に会う時は必ず彼が自分の子宮の中に胚胎されますように、ずっと、祈っている。




 
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