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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百五十四夜 愚かな英雄

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目には見えない、透明な場所がある。

目を閉じて、耳を澄まして、大きく呼吸をすると、それは誰にでも感じられる。呼び方は、人によりけりだけど。透明な場所に届くことは、きっと幸福なことの筈なのだけれど、しかし、辿り着けない。

人間が時間を止められない限り、透明な場所に行くことは出来ないだろう。けど、透明な場所はいつにだってあるし、消えることもなく、行く為の条件さえ満たせば絶対に歓迎してくれる。

透明な場所に行こうかと思う。

昔っから、確かにそれは見えていた。子どもの頃、肺炎で寝込んでいた頃、真綿を噛むような味が口いっぱいに広がる枕元に、透明な場所は確かにあった。だけど、その時は行くことが出来なかった。時を止める方法を知らなかったから。

今はもう、解っている。

家族とか友人とか社会だとか時代だとか、人間の時を左右する総てのいらないものに別れを告げれば、時間は止まる。透明な場所に辿り着ける。何も残せないのは、少し残念だけど。

今、ビルの最上階から、昔の記憶を探し出して、いつも自分の傍らに透明な場所があったことを回想する。随分あの場所に親しくしているのに、今、初めて踏み入ろうとしている。

何も残さずに、飛んだ。

バラバラに砕けた肉体の時間は、止まる。

透明な場所への扉が、開く。




 
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