FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←千夜風灯物語 第百四十八夜 今にも落ちてきそうな空の下で →千夜風灯物語 第百五十夜 季節が君だけを変える
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png サークル
総もくじ  3kaku_s_L.png 小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
[千夜風灯物語 第百四十八夜 今にも落ちてきそうな空の下で]へ [千夜風灯物語 第百五十夜 季節が君だけを変える]へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百四十九夜 未完の絵画

 ←千夜風灯物語 第百四十八夜 今にも落ちてきそうな空の下で →千夜風灯物語 第百五十夜 季節が君だけを変える




前衛的な絵画であるらしかった。

少女がカンバスの中央に立っている。手にはVネックのギター下げていて、左手がネックに添えられている。右手は空に向かってピストルの形に突きあげられている。

顔はなかった。

この絵画を書いていた人物は、自分の感情に何らの起伏も見い出せなくなって、泣き叫ぼうとして、声が出ないことに気がついて、どこかに行ってしまった。少女の顔を描き込むこともなく。当てもなく。感情さえも伴わず。いなくなってしまった。

彼女(女だった)の感情をそのまま顕した絵画の中の少女は顔のないまま、天を指さして、その先にあるのは実は空ではなくて古ぼけた天井。感情がなければ顔は描けないから、つまり、彼女の無貌は彼女の無感情の象徴だった。

彼女を描いた彼女がどこに行ってしまったものか、それを知っている人は誰もいない。誰も彼女を覚えていないから。それくらいに希薄な存在だった彼女の残した彼女の顔は、きっと見えない目で見れば泣いている筈だ。それくらいの悲しさを残して、彼女は消えた。

そうして、彼女だけが残った。

悪い奴が部屋に入って来て、そいつは全身黒づくめでまるで悪魔か野蛮人のように黒い髪と髭をぼうぼうに伸ばした奴で、そいつが、未完の絵画を十字に引き裂いて、燃やして、終った。




 
次へ
前へ


 
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png サークル
総もくじ 3kaku_s_L.png 小説
総もくじ 3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
総もくじ  3kaku_s_L.png サークル
総もくじ  3kaku_s_L.png 小説
総もくじ  3kaku_s_L.png 徒然雑想
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
[千夜風灯物語 第百四十八夜 今にも落ちてきそうな空の下で]へ [千夜風灯物語 第百五十夜 季節が君だけを変える]へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • [千夜風灯物語 第百四十八夜 今にも落ちてきそうな空の下で]へ
  • [千夜風灯物語 第百五十夜 季節が君だけを変える]へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。