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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百三十九夜 あぶな坂

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この世で最も優しい場所だと思っていた処から追放されたなら、果たして流れ着いたそこは楽園だろうか? どうも、そうではないような心持。けれど、逃げ出す方策はないから、ここで宝紡ぎの仕事をするより他にない。

紅すぎる喪服の女が、ここの男たちを世話している。

螺鈿細工の蝸牛に金箔を乗せる。水晶の弓矢は実は羅針盤で常に北の方角へと矢を向ける。実物大の孔雀の羽根は翡翠と純金の合わせ技で、瞳は青玉で、胴の羽毛は緑玉だった。赤玉が余ったので、ついでに余っていた白金と一緒に蝮に変えた。

あぶな坂を超えたここにいる男たちはみんな自分は偉い、乃至、価値のある人物だと思っている。喪服の女は見え透いた虚栄を適当に流している。誰も相手をしてくれないのだ、宝紡ぎなどという夢見人は。

残酷はコーヒーの形をしている。

泥砂のようなそれを啜って、翡翠の塊に鑿を揮って五重塔にしてしまった。一番楽な螺鈿細工の宝箱は十八個もある。貝が豊富に取れるのだ、ここは。もしかするとその貝殻は、誰かの痛みが凝り固まった、残骸であったかも知れない。

近頃とみに具合が悪いのだけれど、黒曜石をくり抜いて螺鈿と翡翠と琥珀と真珠と緊迫と血玉髄で作ったサトゥルヌスは、そんな病んだ精神の結晶だろう。

サトゥルヌスに喰われる前に、誰か、僕を救い出してくれ……。




 
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