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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百三十八夜 あしながぐも

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別段脚が長いわけでもない。寧ろ太く短く、服屋でスラックスを買う度に屈辱を感じている。あしながぐもだろう。明日があるだろう。さしたることない、明日があるだろう。

襤褸襤褸になってしまった脚を引きずって明日が来るのをぢっと待っている俺は獲物を待つあしながぐもだけれど、獲物は、それがどんな類のものであれ、かかった試しがない。もしも色艶のいい後家蜘蛛なら、幾らでも異性を捕えられるだろうし、あしながぐもならぬあしだかぐもであれば油虫をぶち殺す聖なる戦いに身を投じられるのだけど、俺はあしながぐもだから、明日はあるが、しかし万事がはかいかない。

あしながぐもの歩みは酷く不安定だ。俺の脚は太くて短いというのに、なんで地面をしっかり踏みしめられないのだ? 哲学しながら涙を流して、明日は必ずおんなじ昨日。それは厭だ、それは厭だと思っているうちに数年が経ってしまって、もうどうしようもない処まで来ているらしい。

いっそ脚も腕も斬り落としちまうか、芋虫になっちまうか?

なあんて空想するくらいには今日の日の憂鬱は暗く深く重い。けれどどうこうすることも出来ない俺は、ああ、あしながぐものがなんぼかマシな、下等生物だわな。

つまり、あしながぐもなら本能に従える。

俺はそれすら出来ない。

なのに明日はやって来る。

首くくる紐もないのが、寂しいよ。




 
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