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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百二十六夜 audience KILLER LOOP

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安普請のアパートの一室、キッチンと寝室とトイレとバスルームという四分割された空間を閉じる鉄の扉の奥、外界の光を遮断する遮光カーテンの中、そこに自分を閉じ込めて今年で六年目になって、その間外出は一度もしていない。生活にいる品は総てデジタルを通して手に入れられるから、今こそ引き籠り生活の黄金時代。

そして、いつの間にか、それは解らないが、同居蛇がいる。同居蛇は綺麗な銀の鱗に真っ黒い口腔を持っていた。初め、それは朽ちた縄のような姿だったのだが、私が通販で買った食糧を適当に与えていると、いつの間にやら銀色のコブラに進化した。

麗しい彼女を調べてみると、どうやらブラックマンバという種類で、かの千石先生ですら触りたくないほど猛烈な蛇であるらしい。そして、『白い接吻』と名付けられた彼女は私の部屋の中でどんどん成長し、大人しいその全長を計ると実に3m20cmにもなっていた。

非常に美しい『白い接吻』に私は私を殺してくれと頼んだ。

『白い接吻』は頷いた。

心臓の上を彼女の牙が通り過ぎて、毒が回るまでもなく私の流血は私の脳髄の機能を落として行った。そして彼女は愛撫するように私の首に絡まって、私は座ったままで縊死体に……。

『白い接吻』それが殺しの縄だ。

末期の際に思うのは、『白い接吻』が私を呑み込んで、どろどろにしてくれる、その、酷く、素晴らし、き、光、景、で……。




 
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