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「小説」
千夜風灯物語

千夜風灯物語 第百二十五夜 菊人形の呪い

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魔法使いを名乗る頭が可哀相な友人に二本松に行こうと持ちかけられた。菊人形展があるのだという。彼女曰く、「今年の菊人形にはとても素晴らしいものが展示されるようだよ」とのことで、上手く休日が取れたので行くことにした。

そして、行った先で全力で後悔した。魔法使いを名乗る友人が指し示した菊人形は、如何にも行方不明のアイツの面影を漂わせているじゃあないか。否、見間違いだと思いたい。だが、友人はそれを許さない。曰く、「あれなるは怨念大納言」と。

「そんな意味の解らない言葉で説明されてもな。解るように言ってくれ」

私は求める。

「伴天連の妖術に言う。人を花にする法ありと。而して菊となるのは六界を儚みし魂。菊型の人の眠りは、生半に醒めはしないが、面影が行方不明の彼だから、君は用心するがいいよ」

彼女は答える。

その夜、私は友人の言う「ここら辺で一番の宿」で、確かに地方都市の温泉宿にしてはそこそこの晩飯を喰って、これもなかなかの温泉に入って、寝ることにした。友人の言葉は無視した。

「……と、言う処までが彼の残留思念だよ」

魔法使いは自分の愛鳥に語りかく。

「彼は自分が殺した怨念大納言の邪悪なる呪いの為に、その夜、死んでしまった。桜の花は屍肉の上に咲くが、菊の花は怨念の上に咲くらしい。だから皇室の花でもあるのだよ。それは余談だけれどね、彼は、だから、殺されてしまった。怨念に」

言い、雨の魔法使いは愛鳥とともに夜空に飛んだ。




 
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