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2014-06-  ] 

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千夜風灯物語 第十九夜 裸爪(はだし)のライオン

[ 千夜風灯物語]

2014.06.30

☆――まだ諦めを覚えていない者へ――小学校を出る頃、自分が何になるのかなんて解らなかった。中学を出る頃、自分は司書になるんだと思ってた。高校を出る頃、僕は学者になろうと思ってた。大学を出る頃、僕は聖職者になろうとしていた。大学院を出る頃になって、ようやく、僕は旅人になる決心がついた。旅に出ると決めた時、実家のクロゼットの中で埃を被っていた教科書たちを総て庭に集め、焼いた。教室の隅で、いつも一人だったあ...全文を読む

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千夜風灯物語 第十八夜 赤い玉の伝説

[ 千夜風灯物語]

2014.06.29

☆魔法使いが遊んでいる。男で。どこか、それは解らぬが、余程高級な愛のホテルの一室で、みすぼらしい裸体の魔法使いは男のソレを足で甚振っていた。男も何とか反撃を試みてはいたが、それ以上に与えられる快楽に溺れてしまって何ともならず、ゼイゼイと息を切らせて雨の魔法使いのされるがままになるより他にどうしようもなかった。「君はさあ」魔法使いが言う。「赤い玉って信じる?」魔法使いが問う。「あか、い、た、ま……?」...全文を読む

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千夜風灯物語 第十七夜 雷神

[ 千夜風灯物語]

2014.06.28

☆曇り空の東京麻布台。魔法使いが浮いている。雨の魔法使いが浮いている。ビルより高く、東京タワーの尖端よりは低く。これから降る雨に備えて傘を差して。彼女は何事かを唱えていた。折しも夏口、不快指数は最大まで高まり、人々は今にも降りそうな雨に怯えて足を速めている。誰もが誰もに無関心な街の中、誰も魔法使いに気がつかない。やがて、禍津風が吹く。一滴落ちた水滴は、即座に仲間を呼んで東京市街を埋め尽くす豪雨とな...全文を読む

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千夜風灯物語 第十六夜 21世紀パラダイム

[ 千夜風灯物語]

2014.06.27

☆その昔、総ては一つの生き物だった。人も、土も、海も、木も花も獣も鳥も魚も虫も風さえも、たった一つの生命だった。けれど、今は違う。何もかもがバラバラになってしまった。この21世紀の世界では、何もかもが歪で矮小なモノになってしまった。やり直せないほどに狂った世界で、だからこそ、私は私を必要としているアナタだけを探しに行こう。世界に火をつけて。アナタを見つけ出したその時に、私の歴史はようやく始まる。世界...全文を読む

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千夜風灯物語 第十五夜 ボニーとクライドは今夜も夢中

[ 千夜風灯物語]

2014.06.26

☆耽美を掠め取った花盗人は、ベッドと、煙草と、灰皿と、水差しと、アロマと、そうして彼の可愛い桃の花とで世界が出来上っていると確信していた。桃花を愛でながら、このまま総てがなくなっちまえばどんなに楽だろうと、拙い脳髄で形而上学的思考に耽っていた。一方に、肉体は桃花を愛撫して一時も已むことがないのであった。考えていることは桃花も同じであった。今ここにあるモノだけで世界は完成していて、そうして、それだけ...全文を読む

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千夜風灯物語 第十四夜 翼を下さい

[ 千夜風灯物語]

2014.06.25

☆学校の屋上に学ランを綺麗に着こなした少年がいる。フェンスに寄りかかり、何事かをブツブツと呟いている。「ああ、自由だなあ、鴉も雀も、実に自由だ。ああ、僕もあんなになれたらなあ。もしも翼があるのなら、なあ……」屋上に入る為の扉の鍵は、ハンマーで叩き壊されていた。少年の傍には、そのハンマーが無造作に放ってある。「もしも飛ぶことが出来たなら、他には何にもいらないのになあ。人間はどうして空に憧れるんだろう。...全文を読む

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千夜風灯物語 第十三夜 少女貴族

[ 千夜風灯物語]

2014.06.24

☆寝台に横たわる少女に雨の魔法使いが夜ごとに囁く。目覚めなさい、目覚めなさい貴女の心の奥底に横たわっている気高き血よブランド狂いの継母も帰って来ない実の父も貴女と言う名の異端を弾く従いなさい、従いなさい貴女の脳の本能に恥を知らないモノを葬りなさいその目を穢すモノを消しなさい貴女はただ貴族の心に目覚めなさい夜魔が飛翔するように、ふわりとマントを広げた魔法使いの去った寝室。少女は目覚め、枕元にあるのは...全文を読む

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千夜風灯物語 第十二夜 RUN

[ 千夜風灯物語]

2014.06.23

☆「よくまあここまで俺たち、来たもんだな」そう言って奴は煙草に火をつけた。曙の見える断崖に、真っ赤なスポーツカーが止まっている。俺と、奴とがその前で煙草を吹かしている。これから、飛ぶ処だ。まるで何もない処から、何一つ持たずに俺たちは始まった。最初に手に入れたのは一本のペンと、何も書かれていない日記帳だった。それから俺たちは何万遍も言葉だけを頼りに荒れ野を歩き、ようやっとこのスポーツカーを手に入れた...全文を読む

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千夜風灯物語 第十一夜 DEAR BLUE

[ 千夜風灯物語]

2014.06.22

☆鈍色の疼痛を抱えて、青い昼間を過ぎ去って、二人、終わりの来ない夜へと迷い込んだ。伽藍堂の都会の夜景を眺めたり、薔薇色のアクセサリを贈ったり、そんなありがちを幾度も過ぎて、二人は夜の中で肩を寄せ合っている。一人じゃ眠れないと君が言う。僕も同じだけれど、黙っていた。迷宮に生まれた二人が迷路の中で出逢ってからどれくらいの時間が過ぎただろう。触れ合うだけの関係が、どれほど過ぎて行っただろう。常識的な顔を...全文を読む

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千夜風灯物語 第十夜 うたかた

[ 千夜風灯物語]

2014.06.21

☆夏の日に飛ぶ蜉蝣が、一体どこから生まれ出たのか解らないように、僕が抱いたこの恋も、いつの頃からか、自然とそこにあった。或いは母に捨てられた幼子のように、ポツンとそこに立っている。泣き叫ぶことすら出来ないで。せめて貴女に伝えることが出来たなら……幾度も幾度も考えて、考えたそばからその考えに火をつけ燃やす。そんな行為を果たして何百何千何万回続けて来ただろう。どれほど繰り返した処で貴女の許へは届かない。...全文を読む

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千夜風灯物語 第九夜 ペテン師、新月の夜に死す!

[ 千夜風灯物語]

2014.06.20

☆「ペテン師の屍は、やっぱり、『狐の皮衣』みたいなんだろうかねえ」「ああ、どうなんだろうかねえ」深淵に座す彼らは、鉄パイプを持って夜の校舎に向かって真っ暗い夜道を歩いていた。「しかし、アイツは来るのかねえ」「さあねえ。なんせアイツァ、ペテン師だ」そんな疑惑を持ちながら辿り着いた校舎の裏に、ペテン師は、確かに、いた。「殺るか」「ああ」二人組は、鉄パイプを肩に担いで言った。ペテン師は、校舎に凭れかかっ...全文を読む

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千夜風灯物語 第八夜 いけにえ

[ 千夜風灯物語]

2014.06.19

☆「あ! 生贄だ!」言って少女は少年にナイフをぶっ刺した。「え、うん、あ!」腹に刺さった金属の取っ手を掴んで少年が答える。「人柱! 神風だ!」少女はその手を制してナイフを抜く。「あ、うん、え?」困惑する少年の腹部に少女は再びナイフを刺す。「怨念! 怨念! 怨念!」金属は幾度も抽挿され、少年のハラワタが飛び散り始める。「な、な、何が、どどっどどうしてこんな」血を吐きながら少年の問。「桜だからよ! サクラチ...全文を読む

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千夜風灯物語 第七夜 白日夢

[ 千夜風灯物語]

2014.06.18

☆陽炎の昇るアスファルトから離脱して、僕はとある墓地に足を踏み入れた。死者の冷たさが白日の照る夏の灼熱を少しでも安らげてくれることを期待して。彼ら彼女らに手向ける曼珠沙華の造花を持って。ふわりふわりと墓標の合間を縫い歩く僕を、ゆらゆらと儚い蜉蝣がついて来る。ああ、きっと彼らも死者の温度を求めているのだろう。今日はよく晴れた、実に、死ぬのに好い日だ。こんな日に死んでしまえる蜉蝣が幸福に思えて、僕は羨...全文を読む

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千夜風灯物語 第六夜 ねないこだれだ

[ 千夜風灯物語]

2014.06.17

☆「可哀相に」幽霊が呟いた。「ママは戻らないのね」幽霊が呟いた。鏡の前には置き去り子。鏡の中には手招く幽霊。「おいでなさい、おいでなさい」幽霊が手招いた。「さあおいで、さあおいで」幽霊が手招いた。鏡の前には置き去り子。鏡の中には手招く幽霊。「笑ってごらん」幽霊が囁いた。「笑えるね?」幽霊が問うた。コクン、と、置き去り子が頷いた。「笑おうか」「笑って見せようか」「笑おうね」「笑ってよ」「笑おうよ」幾...全文を読む

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千夜風灯物語 第五夜 にょろにょろ

[ 千夜風灯物語]

2014.06.16

☆散歩していたらいい感じの神社を見つけた。古い上に無人で、まるで手入れなんかはされてない。鳥居自体が道の奥まった処にある所為で、ロクに人も来ないらしい。なんとなく賽銭箱を覗いて見たけれど、五円玉一つが入ってるだけだった。なんだかこの社に祀られている神様が不憫に思えて、五円玉を入れて、二礼二拍一礼。いい感じに日が暮れて来て、暑さも少し収まって来た。少しここで夕涼みをしていこう。そう思って、賽銭箱の前...全文を読む

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千夜風灯物語 第四夜 りんごの泪

[ 千夜風灯物語]

2014.06.15

☆十五時五十六分発の特急電車の中。林檎は貧しい少女であった。今から裕福になる為に売られて行く。しかして林檎は売られた涯に何があるのかを知らずにいた。両親はただ「お前から春と花がなくなるんだよ」としか教えてくれなかった。十四歳の、田舎育ちの少女には、皆目意味の解らぬことであった。ただ、両親とも、兄弟姉妹とも、二度とは会えぬ悲しさに、泣いた。どうして自分が売られてしまうのか、考えた処で詮なきこと、しか...全文を読む

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千夜風灯物語 ご案内

[ 千夜風灯物語]

2014.06.15

☆独りぼっちの、謝肉祭【概要】少女地獄第九階層主宰・風合文吾のiPodには一万の楽曲が眠っている……。その楽曲たちを元にして掌篇物語を作って千夜語りをしよう……それが千夜風灯物語(せんやかぜあかりものがたり)である。ぶっちゃけ伊織さんのやってる卒塔婆カーニバルをうんと矮小にしたようなモノであるのだが、一応ルールとしては①タイトルにした楽曲に基づいた内容にする。②500字程度。③毎日更新こんな具合である。風合の好...全文を読む

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千夜風灯物語 第三夜 針の山

[ 千夜風灯物語]

2014.06.14

☆地獄! 地獄! 地獄!どこまで続くんだ! この地獄は! まるで剣林、乃至は剣山、針山地獄の畦道逃避! あああ待ってくれ! なんだなんだ雨が降るじゃあないか血の雨が!……違う! コイツは血なんかじゃあない! 火の雨だ! 亡者も俺も灼かれっちまうじゃあないか! ああ! 獄卒よ! 禿鷹よ! 閻魔様よ! 一体俺ァ何遍死ぬんだ! 何遍殺せば気の済むんだ!「愛の言葉の数の分、嘘を吐いた数の分、人を憎んだ数の分、命を喰らった数...全文を読む

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千夜風灯物語 第二夜 烏天狗

[ 千夜風灯物語]

2014.06.13

☆夕暮れ時に一人の童女が歩いていた。年は十にも満たないだろう。青いハーフパンツに向日葵の柄のTシャツに、上から緑のパーカーを着ている。一緒に遊んでいた友達がみんな先に帰ってしまって、寂しさと一緒にランドセルを抱えた背中は小さく、しかし夕暮れに伸びる影は不気味に大きかった。石ころを爪先でつつきながら、地球を眺めて歩く少女の前に、不意に黒い人影が立った。「ごきげんよう、お嬢ちゃん」言った男は黒い背広で、...全文を読む

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千夜風灯物語 第一夜 鉄格子黙示録

[ 千夜風灯物語]

2014.06.12

☆噫、噫、噫、なんということだ。鉄格子の奥から月明かりが射し込んでいる。そうして、月明りに射抜かれた俺の胎には胎児が宿っている。噫、噫、噫、どうしてこんなことになったのだ? 月明かりは俺には毒明かりとしか映らない。だから鉄格子の窓には背を向けよう。鏡。キチガイをイッパイに詰め込んだこの精神病院の個室の鏡は月明かりを反射して俺の両目を灼く。盲になった俺の無惨が、解るか、俺に宿った胎児よ……。噫、噫、噫、...全文を読む

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